九大家庭教師の会——九州大学(文系前期)国語〈法・経・教〉解答速報

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updated 2017-03-10
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九州大学 文系前期 国語〈法・経済・教育学部〉

この解答速報は、九大家庭教師の会・九大研の現役九大生が作成したものです。
名だたる予備校の先生方のような立派な解答は作れないかもしれませんが、その分、逆に「受験生でも書けそうな」「受験生にも馴染む」解答を目指して作っていこうと考えています。

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注意 この解答速報は、九大家庭教師の会・九大研国語科が独自に作成したもので、九州大学とは関係ないものです。大学へのお問い合わせはおやめください。
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分析

全体概観

難易度(平年比):やや易〜平年並み

現代文は大問一(共通問題)が難しくなり、大問二(専用問題)がやや簡単になったので、全体として平年に比べて難しかったわけというではない。問題文自体も長さはあったが比較的読みやすかった。ただ、九州大学の問題としては書きにくい(何を書けばいいかはある程度わかるが、解答作成が難しい)問題が多く、苦戦した受験生も多いのではないだろうか。
昨年から始まった傾向として、解答欄が短い問題や字数制限のある問題が一部出題されるようになったが、この傾向は今年も維持された。また、今年は選択肢問題や抜き出し問題が出題された。なお、これらの問題は比較的得点しやすい問題であるので、積極的に得点したい。
新高3生へのアドバイスとしては、九州大の現代文は、上記のような傾向変化は起こりつつあるものの、「文中の言葉を用いながら、自分の言葉で書く」問題が多くを占めているので、九州大をはじめとする難関国立大の問題を中心として「自分の言葉で書く」演習を積んでいくといいだろう。また、現時点で、模試などの現代文(評論)問題が苦手である場合は、『システム現代文』シリーズなどの講義形式の参考書を1シリーズまるごと夏休みまでに終わらせて苦手意識を払拭しておきたい。

古文・漢文はほぼ例年通りの形式・分量であったが、古文中での漢字の読みを問う問題は目新しかった。いずれも読みやすく、難易度も低かったと思われる。
新高3へのアドバイスとしては、古文・漢文ともセンター試験と比べて極端に難しい題材が出るわけではないので、センター試験対策を兼ねてまず「長文をすらすら読める」ようになった上で、現代語訳や説明問題の訓練をしたい。なお、漢文では送り仮名のない文を書き下す問題が例年出題されているので、「読み慣れ」または「文構造の把握(実は英語とほぼ同じ)」によって攻略できるようにしておきたい。実は基本的な構文が多く出題されるので、いい得点源になる。

全般として、現代文の比率が高いので、そこである程度は稼がないと点数が足りなくなるが、現代文は比較的高難度であるから、現代文はとれる問題をてきぱきと見極めて解き、時間を比較的容易な古文・漢文に回してしっかり得点するといった方針のほうが得点しやすかったと思われる。


一 現代文(評論・共通問題)

難易度(平年比):やや難

平年よりは難しいというものの、実はそこまで難しくない。書きにくい問題こそあれ、問題文はかなり読みやすかった。なにしろ第一段落でテーマを明示してくれているので、方向性がわかりやすかったからである。
問1は該当する傍線部を含む段落を踏まえればよく、センター試験のような問題。問2も該当する傍線部をを含む段落上手にまとめてやればいいだけ。問3は該当する傍線部の主語「ことは」という代名詞の指す内容を把握すればよく、容易。問5も前段落の内容を押さえられていれば難しくはなかったと思われるが(抜き出しであることだし)、問題は問4と問6。問4については、何を書くべきなのかはわかったであろうが、問題の答え方の指定が難物。解答速報でも相当に苦労した。うまい表現が浮かばないと時間がかかるばかりなので、最後に回すなり適当に書いて切り上げるなりするほうが賢明だっただろう。問6はかなり難しく、解答作成者間でも意見の割れた問題。手紙の内容を真正面から解釈すると(別解)ができ、手紙をあくまで引用として処理するともう一方の解答になる。ただ、九州大の現代文では毎年高難度の問題が一、二問はあるので、書けそうにないものは捨て問にし、他の問題に時間を回す方針でもかまわない。

二 現代文(評論・専用問題)

難易度(平年比):平年並み

確かに難しい問題ではあったのだが、専用問題だと思えば平年並み。文章の読みやすさだけならかなり簡単だったといってもいい。とはいえ、例年、専用問題は本当に解きにくい(あるいは、時間制限内では解けない)問題も多いので、解ける問題にはしっかり食らいついて減点されにくい答案を作り、解けそうにない問題は捨てるくらいの思い切りは必要。
問1は「措定」の意味を知っていれば簡単だったが、知らなくても該当する傍線部がそれを含む段落のまとめ部分になっていることに気づけば十分解けただろう。問2も該当する傍線部を含む段落+前段落を上手にまとめてやればできる。問3はできが分かれた問題だと思われる。該当する傍線部を含む段落の内容・構成を押さえられたら何を書けばいいかはわかっただろうが、その段落の第一文の「生きている」なる比喩をうまく処理できるかどうかが答案の良し悪しを決める。問4もこの比喩をどう処理するかが難しく、実力が出る問題。翻って問5は比較的容易。書き方が少々難しいが、できた者が多かったのではないだろうか。九州大の問題は、問題の番号が後になるほど難しいという構成にはなっていないので、一応は全部に手を付けてみるくらいの姿勢でいきたい。問6は、やはりというべきかかなりの難物。何をすればいいのかすらわからなかった受験生がかなり多かっただろう。もちろん、該当する傍線部を含む段落をまとめたって答えにはならない。じっくり腰を据えて構造を把握していけば答えにはたどり着けるのだが(「従来と別の方法で」という表現にすぐ目が行った受験生もいるかもしれないが、ごく少数だろう)、そんなに時間の余裕はないのであるから、捨て問でもよかったと思われる。


三 古文

難易度(平年比):やや易

問1で問われているのはほぼ基本単語の知識であるが、②の「目うつし」は、あまり見慣れていない可能性がある。「目移し」と漢字変換できれば咀嚼できるだろう。問2では文法的な区分とともに、助動詞の用法を正確に判断することも求められている。問3・問4は通して「漢ぶり」に関する知識(国学者が中国風の外来文化をどう考えていたか、という知識)が必要となる。また、問4を回答するときは、「何について」「どのように」が採点者に明確に伝わるような書き方をすること。問5は波線部の前三行を訳して簡潔に示せばよい。文学史は、『万葉代匠記』が契沖の作であることがわかれば一発である。
問題も易しめで、文章量もさほど多くないため、わかるところで確実に点を稼ぎたい。本居宣長の著作であるため、国学に関する知識を求められる、という点では若干難度が上がるかも知れないが、物語文と比較すると主語や目的語の変遷・省略も激しくないため、読みやすく把握しやすい文章であると言えるだろう。



四 漢文

難易度(平年比):易〜やや易

話は読みやすいし、問題もわかりやすいし、近年の九州大の問題の中では相当に簡単だった。むしろ差がつかない問題であって、ここで大幅に減点されると苦しい。
問1は、基本的なSVOO文型で、Vの後に名詞が二つ続くところから判別できただろう。解答速報では典型的な書き下しとして「十里の外に載す」と書いたが、文脈的には「十里の外より載す」のほうが適切と思われる。問2は典型的解釈問題なので、文脈を踏まえて適度に補って訳す。問3は使役の助動詞(漢文=古典中国語では使役動詞)「使」の読み方問題。ごく基本的な構文であるから落としてほしくない。問4は「其」のさすもの(天)を把握した上で、「仁」「明」をどう処理するかと、これが「なんと……ではないか」という感嘆表現になっていることに気づけるか、という二つがポイントであった。問5に普通は知らない読みが入っているのはいつものことだが、今回はcがそうだった。実はこんな読みもあるのだが、知らなくてもいい。むしろそれ以外のものくらいはきちんと取れるようであってほしい。問6も例年よりは容易だった(近年易化傾向ではある)。


難易度表記の「平年」は、ここ五年の九州大学入試の同科目の平均的難易度をさすものです。